ものすごくゆっくりと、でも確実に

不要な改憲を必要と強弁し、なぜか急く人々

2013.05.15
今夏の参議院議員選挙がある種の大きなひとつの「ヤマ」であるため、しばらく書かずもがなのエントリーを物していく。どうせこの「ヤマ」を安堵の内に越えたとしても、また何度も同等のヤマを迎えるわけだが、とりあえずこの参院選が終わればこのブログも「通常運転」に戻ることができようし、5年後10年後20年後の「現役中核世代」に向けての政治学入門的レクチャーを再開することもできるだろう。「税制」「生活保護」「リバタリアニズム」等のカテゴリーを気に入ってくれている方々にはしばらく我慢いただこう。


今回のタイトル「不要な改憲を必要と強弁し、なぜか急く人々」は、当然、自民党・日本維新の会・みんなの党・生活の党あたりを指して言っているのだが、同時に「いや、必要じゃないの?強弁なんかしてないし?」というあなたに向けても書いている。また「う〜ん、よくわからないけど、大多数のみんなが必要と言ってるらしいから必要と考えてもいいんじゃないの?」というあなたにも。「必要か不要かは自分じゃ判断できないんで、いつものとおりに自民党に投票するけど?」というあなたにも。「96条カンケーなしに、これこれの都道府県事情と個人的な根拠があって民主党に投票するけど?」というあなたにも。


今夏の参院選はもはや、好むと好まざるにかかわらず、96条改憲に賛成か反対かだけが問われる選挙戦となっており、有権者は誰もそこから目を背けられない。たとえば「わたしは農業をやっておりTPP関連でどこそこに投票するつもりだ」とか「ぼくは零細ながらIT企業の社長であり法人税関連でどこそこに投票するつもりだ」だとか言ってられない状態なのだ。ましてや「あたしはもともと政治なんかには興味ないからいつものように投票なんか行かないけど?」などとは。


ではどうすればいいか。暴論と言われるのを覚悟でさっさと言っちゃえば「共産党に投票しなさい」となる。もう少し譲歩して穏健に言えば「どうしても共産党に投票できない/したくない理由がある人に限っては、社民党か(譲りに譲って)民主党に投票しなさい」となる。要は、96条改憲に明示的に反対している党に投票しようということだ。なんとなれば「急いで、今のうちに、なんとしてでも、どさくさまぎれでもいいから、96条改憲だけを成功させてしまえば、あとは何でもどうにでもできる」という勢力の機先を制すことさえできれば今回の選挙戦は「国民の勝利」に終わるからだ。


手っ取り早く、また前提として言っておくと、私個人は民主党・公明党を信用していない — 端的にそれらは第二自民党第三自民党であるにすぎないと考えている(第二第三第四の区別はどうでもいい)。また、日本維新の会もまた第三第四第五自民党のどれか、または自民党ver.2.0くらいのものとして信用していない。また、社民党のことも根拠なき共産党の分派 — 共産党と合体しない理由が不可解なものくらいにしか思っていない。
そして、そんな私個人の解釈・持論はどうでもいいのだ。
あなたはあなたで、自分の信じるところに従って(その気なら)改憲に反対してくれればいい。少なくとも今夏の参院選だけは、「96条改憲は今回のところは失敗」となるような議員構成に終わればいいのだから。


暴論に見えて実は暴論でもない論を続けよう。
本当に改憲が必要になる時代が将来もし来るのであれば、その時はそれとわかる。特定の政党から確たる説明もなくやみくもに主張が出るのではなしに、国民が生身の人間としてほうぼうで「この憲法のこの条文のせいでわたしの基本的人権が侵されたままないがしろにされてるよね」と言い始めてそれが当り前の世論となった時、がそれだ。そんなことは最低でもあと50年は起こらない。フツーに考えれば100年から200年は起こらないだろう。それが起こるとすれば、「国家」とか「会社」とか「メディア」とか「家族」とか「労働」とか「個人」とかの定義自体がドラスティックに変わった時代においてであろう。そこまで「社会」が変わらない限りは、現行の日本国憲法は「時代にそぐわなくて事足りない」ものにはならない。単に政治/行政が — 端的には立法とそれに基づく行政施行の実態が変わればいいだけの話なのだ。


「2/3以上」ではハードルが高すぎて、国民の意思を反映できない?
本当に憲法が時代の実状にそぐわない時代が来ていれば国民のほうからほうぼうで声が上がり2/3どころか4/5でも改憲派の議員が国会を満たしているだろう。
「過半数」でこそ国民の意思を反映できるはず?
民主党政権を成り立たせてみたり日本維新の会が大躍進したり、で、その後みんなで大ブーイング、みたいな国政選挙が現状なのに、たった50.1%の賛成が49.9%の反対を押し切って選りにも選って憲法を改めようとしたとしたら、何がどう国民のためになるのだろうか。
暴論承知で言えば、国政なんぞは1年3年5年単位でどうにでもなりどうにでも軌道修正できるものだが、憲法に関しては1度、少しでも変えてしまえば、それをとっかかりに何十何百の悪法の下に何十年百数十年もの悪政が為されかねないものなのだ。そのかなめが96条の2/3規定であり、たかが1時代の1政党の意向やポピュリスティック・ファシストの勇ましいスローガンごときに影響されてはならないのである。


どこかでちょっと脇道に入って戻って来れなくなった感があるので、次回も同テーマで、殊にあなたが取るべき投票行動に関してもう少し語ってみよう。









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