ものすごくゆっくりと、でも確実に

樋渡系にまつわる構造的悲劇

2017.04.23

前回エントリで採りあげた「樋渡系」の首長の面々の一部に、その後選挙により異動があった。
めでたく落選と相成ったのは富山県氷見市の本川祐治郎氏、残念ながら当選となったのは宮崎県日南市の崎田恭平氏、佐賀県みやき町の末安伸之氏。
ここでは、2017年2月12日の市長選で当選した大阪府柏原市の冨宅(ふけ)正浩氏、もう本日4月23日投開票の福岡県小郡市長選の加地(かじ)良光候補をも含めて、当該自治体/選挙における「悲劇」的状況を俯瞰してみよう。
樋渡系の首長候補が立ち、なおかつ有力な対抗候補がいない場合、その市町村は軽々と樋渡系の天下となるだろう。
「樋渡系改革」を求める住民でない限り、そこは現代型ソフト・ファシズムの地獄となる。
実際に佐賀県武雄市が既に明らかにそうなっているように。
さらには、たとえ「樋渡系改革を求める住民」であったとしても、そのソフト・ファシズムが牙を向けないという保証はない。
むしろ樋渡系行政は、次から次へと、あらゆる機会あらゆるイシューごとに、あなたに同意・屈従・沈黙を求めてくることだろう — そしてその「あなた」は、樋渡系が進めてゆく様々な領域に亘る「改革」とその不都合・不利益をあらかじめ全て知れることはない。
「気付いたら被害者は、コケにされているのは、自分」 — 樋渡系首長を戴く自治体、樋渡系議員が多数たむろする自治体では、疾うに言われていることである。
「後から気付いて」も、あなたにできるのは4年弱を泣き寝入りで過ごすことくらいだろう。



ウィキペディアをソースとする簡便な概略だが、上記4つの市・町の人口は
日南市   5.3万
みやき町 2.5万
柏原市   7万
小郡市   5.8万
である。
人口4.9万の佐賀県武雄市によく似て、実に樋渡系が目を付けやすく、食い入りやすく、プロパガンダが効きやすい規模の自治体だ。
広くに亘る「人的資源」「余剰資源」を考慮できる人なら判るだろうが、このような規模の自治体では「食っていくのがやっと」「余計なことに構ってなどいられない」という住民が大勢を占め、したがってそこから
投票しに行くのは樋渡系支持者と乗せられたカモとドリーマー
それ以外の有権者は多くが投票自体に行かない
という悲劇の基盤が元々できやすい。
「田舎差別」とあげつらわれようとそう言わざるを得ないのだが、こうした「田舎町」では「みんなが言ってること」「メジャーに言われていること」を鵜呑みにする人々が10代から110代に至るまで圧倒的に多い。
実際、ツイッターでこれらの選挙戦に関して「地元の人々」がどういう発信を為しているか(さらにはどんな発信も為していないか)を見てみれば、その人々の大多数が、麗しげな文言に浮かれて盛り上がる人と、政治なんかくだらないんで一切興味がないよという人に分かれるのが知れる。
ちなみに「浮かれて盛り上がる人」側のツイートに確かなソースや見識や主張があるのはごく稀である — それはたとえば次のような、小中学生並みの「気分」をただ短文で開陳しただけのものとなる;「ああ、これで〇〇市の知名度が上がるといいなあ」等々。
多くの田舎町では、「メシの種」に繋がる縁故と波風立てない態度、朝日・日経系メディアと地元メディアによる浅く薄い報道とそこに紛れた樋渡側プロパガンダが投票の決め手となるため、有権者の内で実際に投票に赴く人は、樋渡系候補による華々しい「改革」を既に信じこんでいる、といった現象が大いに起こる。
そして「夢を見たがっている人」はその夢想に冷や水をぶっかけられることを好まないため、たとえ「樋渡系の悪行」を確度の高いソースで見かけてもそれを無視することを喜んで選ぶ。
※1



こうした市町村では、往々にして、というよりしょっちゅう、次のような出馬状況となる —
・樋渡系候補の無投票当選
・「現職」に代表される地元有力候補(自民公明系)と樋渡系の一騎打ち
・樋渡系に対抗するのが、「外部からの新人」と「不祥事/疑惑を重ねた現職」
・不祥事/疑惑を重ねた現職が樋渡系で、対抗馬は外部からの新人
そして以上の順列組み合せ的なヴァリエーション、が関の山、と。
佐賀県みやき町では、末安伸之氏の実兄が直前で出馬を取り下げ、伸之氏が3度目の無投票当選を決めた — 不動産業を営むという実兄:長夫氏が何らかの「約束」の下に辞退したのだとしても不思議はないし、人口2.5万の町では、有力な対抗候補もそれを担ぎ出す余剰の人的資源もなかったということだろう。
宮崎県日南市では、「LINE誤送信・セクハラ問題」にもかかわらず、崎田恭平氏が再選を果たしたが、対抗馬は旧日南市長を務めた河野礼三郎氏(故人)の長男で「コンサルタント会社社長」とも「木材加工会社社長」とも報じられた河野誠氏という「よそ者の新人」だけだった。
大阪府柏原市では、前市長で維新系で樋渡系の中野隆司氏の後継、つまりはまた維新系で樋渡系の冨宅正浩氏が3人の対抗馬を下し当選したが、3位以下に圧倒的な得票差をつけた次点:「自民推薦の経営コンサルティング会社役員」の友田景氏も実は筋金入りの樋渡系であった(※2)— 柏原市では「どっちに転ぼうと」樋渡系が市長になるよう疾うに運命が決まっていたのである。安倍自民と維新と樋渡系は看板がちがうだけで完全な同体なのだから。
福岡県小郡市では、市長時代から樋渡啓祐氏と昵懇で、かつモロに応援を受けることで生粋の樋渡系と知れる新人候補:加地良光氏に対し、1人だけの対抗馬の現職の平安正知氏は「安倍自民側からの樋渡系」であった(※3)— ここでも「どっちに転ぼうと樋渡系」がさだめ、さだめは死、なのである。まあ、100%樋渡系である候補よりは50〜70%樋渡系である候補のほうが「まだマシ、まだ望みがなくもない」とは言えようが。



たとえ東京都港区に生まれ育っていようが、14歳の女子中学生であろうが、「マヌケな田舎のオヤジ」はマヌケな田舎のオヤジである。
マヌケな田舎のオヤジは常に、後になって泣きわめいたり、政治家の悪辣を罵ったりする — 実際にはその悪辣な政治家を養い育て夢を見ていたのは自分であるにもかかわらず。
私は日本国中、老若男女のそうしたマヌケな田舎のオヤジにウンザリしながらも、こうしてブログを書き続けずにはいられない。
日本列島上の9800万や1億1400万が揃いも揃って「マヌケな田舎のオヤジ」になってしまったら、私の生きる歓びはあらかた失われてしまうだろうから。
あなたは「マヌケな田舎のオヤジ」に囲まれて楽しく生きていける人だろうか?
そうでないというのなら、明日にでも今日にでも、やり始めることのできることはゴマンとあるはずだ。



※1
私は田舎でも都会でも生活した経験があるため、「田舎人に満ちていない田舎」を軽蔑することも、「田舎人の満ち満ちた都会」を礼賛することもしない。
「私は田舎に住む者だが、『メジャーに言われていること』を鵜呑みにするような人間じゃないぞ」という人で、しかも樋渡啓祐型政治の支持者であるという人がいたら、むしろ喜んでお目にかかりたいものである — ツイッターでは、そういう人で「ブロックして遁走」「非公開アカウントにしてダンマリ遁走」しなかった例を私は見たことがない。


※2
https://twitter.com/tomodakei/status/37807629376032768
「いいなぁ。うらやましいです! @katsuitaro 奈良へ。佐賀県武雄市長の樋渡さんの講演を聞きます。とても楽しみです。@hiwa1118」

https://twitter.com/tomodakei/status/241319732706426881
「武雄市って、樋渡市長 @hiwa1118 になってからどのくらいの視察があるのやろうか?行政視察だけでかなりの経済効果がある気がする。一番にやることで注目度が違うことが大きな差を生み出していると思う。経済効果だけでなく、職員や住民の意識変化にも効果があると思うけど。」

https://twitter.com/demosthenesZ/status/830048766631632896
「柏原市長候補『友田けい』ならぬ友田景氏のフォローイングに
https://twitter.com/tomodakei/following
イケダハヤト・木島洋嗣・上山信一・西田亮介・橋下徹・茂木健一郎・松原聡・国定勇人・倉田哲郎・竹中平蔵・堀義人・吉田雄人・中田宏・村崎浩史ほか 樋渡/武雄で馴染みの多数のアレが」


※3
小郡市長選挙~平安正知氏・輝く町づくりフォーラム | [ 福岡県民新聞社 ]
「既に立候補を表明している現市長の平安正知氏は、4月1日(土)午後5時から小郡文化会館大ホールで約600名の市民を集め、決起大会に変わる『輝く町づくり』フォーラムを開催した。
地方創生副本部長で、自民党政調会長代理の片山さつき参議員議員が特別ゲストで、主催『ふるさと小郡創造委員会』。」









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第一にリバタリアン、ある意味リベラル、ある意味左寄り。
全体主義と衆愚政治がいちばん嫌いだから、です。
twitterでも@demosthenesZ

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